「蔵と物置の間には通路があるのですが、電池式の強力な超音波害獣撃退器があって、イノシシが突破したことはありませんでした。裏庭は、東側の茶ノ木から西側の通路まで連続していて、西側の通路の北側に立てば茶ノ木が見えます。」

「卓球場は裏庭の北側にあるので、渡辺さんがうり坊を見たのは、うり坊が裏庭の西の端を通ったときですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。そこから東側の茶ノ木が見えるので、うり坊は茶ノ木まで行けることは分かっているはずです。」

「なるほど。西側の通路をLEDライトを背にして侵入できたうり坊が、父猪に後ろ向きで裏庭を進めば、茶ノ木に行けるということを指導したとお考えでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それで、うり坊が裏庭を突っ切って東側の茶ノ木の裏まで行こうとするかどうかをチェックしようとしたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「孟宗竹を2本にしたのは、茶室と蔵の間の3本の孟宗竹が乗り越えられなかった場合、2本の孟宗竹が乗り越えられるかどうかをチェックしようとしたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それで、どういう結果になったのですか」と町会長。

「うり坊だけが来た朝から6日間雨が降らなかったのに、茶室と蔵の間の孟宗竹の外側に置いた湯飲茶碗が2つひっくり返されていました。」

「うり坊は雨が降らないのに来たのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。寒さでミミズが少なくなったためかもしれません。」

「卓球場と物置の間の2本の孟宗竹の西側に置いた忌避剤入りの茶のみ茶わんはひっくり返されていなかったということでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、1本の孟宗竹は乗り越えられても、2本や3本の場合は乗り越えられないということですか」と町会長。

「この日は、おっしゃる通りでしたが、6日後に3本の孟宗竹が乗り越えられています。」

「3本でも乗り越えるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。この日は3本の孟宗竹は乗り越えられなかったのですが、興味深いことが起こっています。」

「興味深いことと言いますと?」と町会長。

2020/1/20

<お知らせ>
第百二十六話をアップロードした時のミスで、第百二十七話の話がアップロードされていることに気付いたので、第百二十六話にアップロードし忘れた話をアップロードし、第百二十六話としてアップロードしたものを第百二十七話の話としてアップロードしました。分かりやすく言うと、第百二十六話を新しい内容の話に変え、第百二十六話の話を第百二十七話に移しました。

筆者はこういう単純作業でミスをすることがあるタイプなので気を付けていたのですが、サーブを連続300球入れるようになってから動体視力が急激に上がり、日常生活でもミスが増えています。そのため、サーブを連続300球入れるのはやめて150球だけ連続で入れるようにしたら、このミスに気がつきました。

サーブやバックハンドの球速が上がっているので動体視力が上がっていると思われるのですが、不思議なことに、篠塚大登の三球目攻撃は以前と全く同じように速く見えます。今年6月に頂点を打った動体視力と今回急激に上がっている動体視力は別物のようです。

<イノシシ後記4>
しばらくして、ゼーゼーと荒い息をする動物の正体が分かった。卓球場に夜の8時ごろ行こうとしたらイノシシが卓球場の西側に設置した孟宗竹の西側の藪を通り抜けて侵入するところだった。僕が家を出て卓球場に行く気配を感じて驚いたイノシシが何頭か声を出しながら藪を通り抜けて逃げようとしていた。暗いのでイノシシは見えなかったが藪で体がこすれる音がした。

卓球場の裏に回ると、山際でゼーゼーと荒い息が聞えた。3歳になった雄のイノシシはうり坊時代に何度も孟宗竹を横切って中庭に侵入しているのだ。犬の病気に原因不明の器官虚脱という病気がある。呼吸するときにゼーゼーという音がする。呼吸するときに気管が潰れてしまうためだ。興奮した時や運動したときに強い症状がでる。症状は徐々に悪化していき改善はしない。

孟宗竹は人間には陽だが、イノシシには陰だ。切りたての青い孟宗竹からは肺の機能を低下させる強い陰の気が出ている。うり坊時代に強い陰の気を出す孟宗竹を何度も横切っているので、肺と喉が委縮して機能低下し、器官虚脱のような状態になっているのだろう。それで興奮するとゼーゼーと荒い息使いをするようになるのだと推定した。<続く>

2022/12/9